~前立腺がんと向き合う~ 治療編2「手術療法」

2014-01-30 01:40:20

■「手術療法とは?」
がんを根治する可能性が一番高い治療法は、手術療法とされています。しかしながら、その対象となるのは原発巣(最初にがんが発生した臓器)に留まって他の臓器に転移していない状態の患者さんとなります。1994年に腫瘍マーカー(血液検査)のPSA(前立腺特異抗体)の開発により手術可能な早期前立腺がんが圧倒的に増えました。天皇陛下や間寛平さんもこの検査で発見されています。

■術中の問題点・術後の合併症
前立腺は周囲を骨に囲まれた骨盤という壷の底にあり、両手が何とか入るだけの狭いスペースに存在しています。周囲は血管が網目状に走り出血しやすく、その摘出手術はかなり難易度が高くなります。また、前立腺のすぐ近くには勃起神経や尿道括約筋があるため術中に損傷すると勃起障害や尿漏れなど、術後の合併症をきたすことがあります。
手術の医療費について

手術方法は一番一般的なのは開腹手術です。お腹に数カ所穴をあけるだけの「腹腔鏡下前立腺摘出術」が2006年4月1日より保険適用となり、診療報酬4万5300点=3割負担で約14万円、開腹手術は約1万3000点=3割負担で3万9千円です。
50歳以上の男性の皆様へ

前立腺がんは早期に発見するほど治療の選択肢は多いです。適齢期(50歳以上)の方は一度診察を受けておくことをおすすめ致します。色々な治療法の中からそれぞれのライフワークに合った納得のいく治療法を一緒に見つけ、明るい未来を手に入れましょう。

マイタウン奈良掲載コラム