~前立腺がんと向き合う~  治療法3 「放射線治療」

2014-01-30 01:40:48

前立腺がんの治療、最終回は放射線治療です。

■「放射線治療」とは?
放射線治療とは、放射線を使ってがん細胞の遺伝子を破壊し細胞分裂ができなくする方法です。
放射線治療には手術と同様根治を目的とする場合と、骨転移による痛みの緩和・病的骨折の予防を目的とする場合の2種類があります。

主な2種類の治療法
①外照射法
②密封小線源療法(組織内照射法)

の2つになります。①は身体の外から前立腺に放射線を照射する方法で②は小さな粒状の容器に放射線を放射する物質(アイソトープ)を密封し前立腺に埋め込み内側から治療する方法です。②の方が少ない放射線量で同等の効果があり副作用も少ないですが、がんをより早期に発見する必要があります。

■放射線治療の最大の欠点とは?
放射線はがんを死滅させる効果があり、その効果は放射線量に比例します。同時に正常な組織にも甚大な障害を与えます。その為、皮膚・直腸・膀胱などに悪影響が出、放射線皮膚炎や潰瘍、排尿・排便の回数の増加、痛み、出血などが起こります。
進化する最先端の治療法
 正常な組織に悪影響の無い治療法として重粒子(炭酸イオン)・陽子線治療があります。この治療は最先端医療で現在医療保険の適応がなく自費となり数百万円必要で、この治療が行える施設は全国的にまだ少ないことが今後の課題です。

■泌尿器科専門医として
前立腺がんになってしまったことは残念なことです。しかし悲しみの向こうにはご家族や専門医が一丸となりあなたをサポートします。あなたの明るい未来のためにご協力できれば幸いと考えております。

マイタウン奈良掲載コラム