検尿の異常値から何を疑われるか?

2014-01-30 02:01:35

●検尿の重要性

検診の時に必ずといっていいほどされる検尿。
患者さんに何ら苦痛を与える事なくできる簡単な検査です。

しかしながらその情報量は多く、身体の状態を色々と語ってくれます。腎臓は血液をろ過して、摂取した食物のエネルギーを取り出した後、老廃物を尿として排出しています。
生活ごみを見ればその家の状況が判るように、尿を調べることによって身体の状態を知ることができるのです。



●検尿は何を語る?

検診では色々な項目がありますが、主に糖・蛋白・潜血などをテステープという試験紙を使って調べます。

診断が確定する訳ではありませんが、糖が出ている場合は糖尿病、蛋白は腎臓病、潜血の場合は膀胱炎・尿路結石・尿路の腫瘍(癌を含む)が疑われ、精密検査が必要になります。

同時に尿沈査という尿を遠心分離機にかけて沈殿した成分を顕微鏡で見る検査を行えば、潜血の場合、原因を更に絞り込めます。血尿は量の多い少ないに関わりなく、尿路の腫瘍が発見される事がある重要な項目です。

腎臓は膵臓と同様に沈黙の臓器と言われ、病状がかなり進行しないと自覚症状が出てきません。

膀胱癌は早期に発見すれば、開腹する事なく内視鏡手術で治療可能です。
もし検診で血尿を指摘された場合は、ぜひとも泌尿器科専門医を受診ください。


また理由なく体調の変調を覚える場合や、体調チェックとして検尿を希望する場合もご来院ください。泌尿器科では尿沈査も含めた検尿の結果をすぐに調べることができます。

体調に不安を抱えず、元気で楽しい一年間をお過ごしください。

マイタウン奈良掲載コラム