ハリウッドドリームの入り口で松田優作を足止めしたのは膀胱がんでした。
ワイルドだぜ~って役柄が多かったけど、僕としては「探偵物語」「家族ゲーム」といった少しマニアックな役の方が好みだったのですが惜しい役者さんだったと思います。
●膀胱がんの症状は?
前回お話した検尿異常で、最も注意が必要な項目の尿潜血。
血尿をきっかけに尿路系のガンが発見される事もあり、最も多いのが膀胱がんです。と言っても肺や胃ほど発生の多いガンではなく、毎年10万人当たりに17人ほど。
初期症状は痛みなどの症状を伴わない血尿(無症候性血尿)が多く、突然出現して自然消失しますが、進行すると頻尿・排尿時痛・残尿感といった膀胱の刺激症状が現れます。レントゲン検査・内視鏡検査・尿細胞診などで診断されます。
●膀胱がんの種類とその危険性
膀胱がんには、
①表在性膀胱がん
②上皮内がん
③浸潤性膀胱がん
があります。
膀胱がんの70%は、ガンの病巣が膀胱粘膜にとどまっている表在性膀胱がんです。
これは内視鏡手術で根治できます。手術は腰椎麻酔下に行われ、約一週間程度の入院となります。
再発率が高いため何年間か定期的な検査は必要ですが、生命予後は良好。
切除した組織を観察し再発の可能性の高いガンに対しては抗がん剤やBCG(弱毒化した結核菌)を膀胱内に注入する治療が行うことも。
厄介なのは
②上皮内がん③浸潤性膀胱がんで命を落とす危険があります。
上皮内がんは粘膜の下に広がる悪性度の高いガンで隆起性病変を作りません。そのため境界が肉眼で確認できず、内視鏡による完全切除が不可能なガンです。
一番厄介なのが浸潤性膀胱がんです。
放置すると肺・リンパ節・肝臓・骨などに転移するので膀胱全摘出術の適応となります。痛みなどの症状がないからと放置せず専門医の診察を受けるようにしましょう。