尿道炎

2013-10-23 20:41:14

尿道から膿が出るとか、排尿痛があるといった尿道炎の大部分は性感染症(STD)です。起炎菌は殆どがクラミジア・トラコマティスや淋菌が占めています。
かつては、尿道炎になっても、「いやー、もらっちゃたよ」等と暢気に構えていられたのですが、近年ではその認識を改めなくてはいけなくなっています。これから述べる事を良く覚えておいてください。

性感染症(STD)は確実に増えています
○近年では、性風俗店での感染よりも、友人などの素人さんからの感染が増えています。
○調査結果では、15~29歳の一般女性の15~20人に一人はクラミジア・トラコマティスに感染していると推定されています。

「自分は症状がないから大丈夫だ」は、当てになりません!
○男性では50~60%の患者さんが、女性では80%もの患者さんが、自分では感染していることに気がついていません。
○このように自覚症状は当てにならないことも流行の原因となってしまっているのです。
○女性では男性よりも自覚症状が出にくいために、実際の感染患者数は男性よりも6倍多いと言われています!

「もらっちゃたとしても、治療すれば治るんでしょ?」
○医者が言うのもなんですが、必ず治るというわけではなくなっているのが実情なのです。
○最近の問題として、クラミジア・トラコマティスも淋菌も抗生物質が効かない”耐性化”が急速に進んでいるのです。有効な薬は何種類かしかなくなってしまっているのです!!将来はどうなってしまうのでしょうか?心配しています。

「薬が効かなかったとしても別に重症になるわけではないでしょ?」
○認識を改めてもらう必要が有ります。
○尿道炎にかかった場合には、粘膜が痛んでしまうので、エイズウイルスに3~4倍もかかりやすくなってしまうことが判っています。
○エイズウイルスにかからなかったとしても、女性の場合には「骨盤内感染症」「不妊症」「子宮外妊娠」などの後遺症が報告されています。一生の問題なのです。

「SEXはしてないよ。口でしてもらっただけだから移されるわけないじゃない」
○ この知識は間違いです。オーラルセックスの増加により口の中に淋菌やクラミジアがいる女性が増えてしまっているのが現状です。

★「どういう検査をするの?」

だいたいの方では、下記の手順で検査していきます。
1.診察:
  検尿:糖・蛋白・出血の有無をチェックします。
     顕微鏡を使って膿が出ていないか?出血がないか?調べます。
  症状の内容や経過などを伺います。
肛門から指を入れ前立腺を触り(直腸診)、腫れていないか?痛みがないか?を調べます。
  精巣・精巣上体を触り炎症が波及していないか調べます。
2.採取した尿を検体として、PCR法という方法を使ってクラミジア・トラコマティス・淋菌の存在を調べます。
  検査結果は2~3日には出ます。

★ 「治療法は?」

  抗生物質を飲んでいただきます。
  以前は ほとんどの薬で効果があったのですが、最近は薬の効かない菌(耐性菌)が増えています。
  薬を飲み、水分をしっかり取って1週間後に、もう一度検尿を行い治っているか確認します。

マイタウン奈良掲載コラム