尿失禁(その2)

2013-12-15 01:01:37

往年のマドンナ野際陽子さんが、尿漏れのコマーシャルに出演する事は少しショッキングでした。

しかしながら女性において尿漏れは決して稀な症状ではありません。40歳以上の女性の10人に1人は過活動膀胱といった膀胱の感覚が過敏になり尿の回数が多い、尿漏れ、尿が我慢できないといった症状に悩んでいると言われています。

女性の場合生まれついての体の構造の特徴、妊娠・出産、年齢による女性ホルモン(エストロゲン)の低下、筋肉低下、肥満による体重の増加など様々な要因で、実際多くの方が尿に関しての悩みを持たれていると言われています。

女性の膀胱は骨盤底筋群という筋肉・靭帯からなるハンモックの上に、子宮や直腸と一緒に支えられた状態で存在しています。この骨盤底筋群は胴体の最下部にあり、立った状態になると内臓の重みがかかる形になっています。そのため傷つくと重さに耐え切れず緩んでしまうことになります。

骨盤底筋群が緩むと膀胱・子宮・直腸が下がり、そのため尿が漏れる、出にくい、残尿感、下腹部の痛みや不快感といった様々な症状が起こります。ひどい時には子宮・膀胱・直腸の脱出をおこします。骨盤底筋群が傷む一番の原因は、妊娠・出産と言われています。

また 更年期になって女性ホルモン(エストロゲン)が低下すると、動悸・肩こり・情緒不安定などの自律神経障害とともに、膀胱粘膜の知覚過敏が起こり、その結果膀胱にたまる尿量が減少し尿漏れの原因となる事もあります。

その他 神経系のトラブル、膀胱炎、膀胱の石や腫瘍なども尿漏れの原因となる事もあり、症状だけで判断する事は出来ません。一人で悩まず 一度専門医の診察を受けてください。体操や薬、手術を含め色々な治療法があります。

最初はお話を聞いて尿を調べるだけですので怖がらず気軽にご相談下さい。

マイタウン奈良掲載コラム